東洋紡糸がつくるウール　
こだわりの製法が生む上質糸「CHESS＆CAPRI」 

羊毛を原料とするウールは、衣類として最も利用されている天然繊維の一つです。弾力性に富み、吸湿性、保温性に優れた素材として、昔から人々の生活の近くにありました。 近年、様々な特長を冠したウールが市場に登場していますが、東洋紡糸はカシミヤ紡績で培った技術と経験を元に、上質でユニークなウール糸を展開しています。

ウールの質とニットウェア

衣類用の羊毛には一般的に繊度（太さ）17~40マイクロンのものが多く使われます。ウールもカシミヤと同様に細く長い原毛が希少とされ、より滑らかで柔らかな肌触りとなります。一方、その細さのために紡績の際、慎重な扱いが必要になることも確かです。編地の繊細さとピリング（毛玉）しやすさが比例する場合もあります。また、ニットウェアはバルキーでざっくりと厚みのあるデザインも人気で、そういったものには必ずしも細い繊度の糸が最適とは限りません。ウールには太さや撚り方など、異なる表情の糸が多数あり、いろいろな用途や好みに応えています。

東洋紡糸のCHESSとCAPRI

東洋紡糸がつくるウールは、カシミヤ紡績の設備や知見を活用し、それぞれの原毛の特長を生かした風合いと長年愛用できる高い品質を実現しました。

CHESS

CHESSは、東洋紡糸ウールの代表ともいえる、平均繊度18マイクロン以下の原毛を使った30番手の糸です。ニット用ウール糸としては比較的細めで、その完成度とバランスの良さから人気が高く、多くの製品に使われています。
製品を手に取ってみて、その軽やかさにびっくりする方も多くいらっしゃいます。カシミヤとはまた違った風合いで、敢えて表現するならば、「スポンジッシュ」、スポンジのように空気を沢山含んだふくらみのある軽い触感が特長です。厳選された数種類の毛をブレンドすることにより、強度も兼ね備えた軽さ、ソフトで弾力性のある膨らみなど、バランスの良い糸を作り出しました。取り回しの良さも相まって、いろいろなシーンで活躍してくれる糸です。

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CAPRI

CAPRIは、16マイクロン以下の、羊毛としては極細の希少な原毛を使って作られる繊細で優美なウール糸です。40番手のニット用ウール糸は数少なく、カシミヤのような風合いが自慢です。
特筆すべき点の一つはその紡績工程です。極細の繊維は、東洋紡糸の工場でも数が限られたカシミヤ専用の紡績設備を使って紡がれます。通常のウール紡績よりゆっくりと時間をかけて丁寧に加工・仕上げを行う、ある意味で効率とは対極にあるプロセスですが、こういった作業を経て完成するCAPRIは、柔らかくしなやかで、梳毛のような薄さと軽さでありながら紡毛のふくらみと温かみをもっています。

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東洋紡糸スタッフが語る糸

東洋紡糸は紡績会社として、様々なお取引先に糸を納入しています。営業として活躍するスタッフに、対ビジネス視点で見たCHESSとCAPRIについて話を聞きました。

東洋紡糸工業株式会社　営業　柴田

CAPRI

CAPRIは、ウールの中でも希少な原料を使うため価格帯も比較的高めなのですが、大きなロットで買ってくださるところが複数あります。どういったポイントを気に入ってくれたのかを聞くと、やはりその柔らかで滑らかな風合いが決め手になっているようです。カシミヤのような肌触りは、例えば、実際に手に取ってみることのできない通販では伝えにくいと思うのですが、CAPRIで編まれたニットは届いたその時に感動を与えることのできる製品であり、お客様の期待を裏切ることがない品質だと、コメントをいただきました。

CHESS

CHESSは一番人気のウール糸です。守備範囲が広い万能選手と言えるでしょう。 ニットの編地は番手（糸の太さ）、その糸を何本合わせるか、何ゲージで編むかなどによって表情が異なってきますが、CHESSは適用できるパターンが多く重宝されています。例えば、撚り合わせる糸の数が、2本(双糸)、3本（三子糸）のいずれの組み合わせでも編みやすく、ゲージの範囲も広いため、CHESSで編みあがった製品はいろいろな「顔」をしていて、同じ糸で編んだのがわからないほどデザインの幅が広がります。また、ニット編み機は扱える糸の番手が各機器で決まっているのですが、使い勝手の良いCHESSは製造サイドから見ても扱いやすい優等生だといえます。
もちろんニットを着用する一般のお客様にとって一番大事な品質についてもお墨付きと言ってもいいのではないでしょうか。当社と取引のあるデザイナーさんが、CHESSで編んだセーターを愛用してくれているのですが、時が経っても風合いが変わらないし型崩れがしない、と言ってくれました。それも1人ではなく複数の方から同様のコメントをもらいました！ 型崩れのしにくさは他の糸でもほめてもらえることが多く、当社の糸の大事な自慢ポイントの一つだと思っています。