PIARA

PIARAは良質のカシミヤ原毛の中でも更に厳選された原料を、永年蓄積された技術と手間暇を惜しまない製法によって作られた、東洋紡糸の至宝ともいえる糸です。東洋紡糸カシミヤの中で最も歴史が古く、内外に熱心なファンを持つPIARA。編み上がりの「目面」の美しさや滑らかで柔らかな風合い、永年の愛用に応える耐久性は世界に誇る一級品です。

品質基準

東洋紡糸では複数のカシミヤ糸を生産していますが、用途等に合わせてそれぞれに品質基準が設定されています。原料が自然の繊維ですから、この基準を毎年変わらず維持するのはそう簡単ではありません。同じランクの原毛であっても天候やその他環境などの影響で特徴が微妙に異なることがあり、製法を機械的に守るだけでは仕上がりに違いがでてしまいます。品質基準を維持するために、原料のブレンド・配合を変えたり工程を微調整したりする工夫が必要です。つまり、まずゴールがあってそこに到達するように逆算して作っていくのですが、これもカシミヤ紡績の長い経験がなければ成しえない方法なのです。
また、PIARAは糸均整度の高いことが特徴です。繊細な原料の繊維損傷を抑える為やさしく開繊(1)する事で、糸表面に凹凸の少ない美しい糸が出来上がります。

低温加工技術

東洋紡糸には、染色時の繊維への影響を最低限に抑える低温加工技術があります。通常、染色温度は高いほど色が着く速度が早く均一に染まるメリットがあるのですが、高温の染色は繊細なカシミヤ繊維に損傷を与えてしまいます。独自に開発したこの加工技術での低温染色・乾燥により、カシミヤ繊維の持つ滑らかな風合いを守ることができるのです。

厳選された原料の配合、手間暇をかけた紡績と染色技術が生み出すPIARAは、編地の目も美しく、しっとりと柔らかく滑らかな肌触り、そして年を経るごとに独特の風合いを増していきます。育てるカシミヤという表現がありますが、PIARAは着用やお洗濯(2)による型崩れも少なく、お出かけ着としても普段使いのニットウェアとしても長年愛用していただける一品です。